農理工学際連携コースに所属する学生、教員の異分野間融合研究における
昨年度までの挑戦課題と成果
① 地産地消バイオマスエネルギー生産と農作物生産のリンクによる省エネ・資源再利用、低CO2排出を目指した農作物生産のシステム工学的アプローチ
② 新規植物イメージング技術の開発と、リアルタイム画像解析による農作物生育管理および流通時の作物鮮炭管理
③ 新規植物免疫活性化剤の探索と作用機構の解明
④ 鮮度を保持した農作物保存・搬送技術の開発
⑤ システム生物学アプローチによる抗病虫害・高生産性植物の創出
異分野の学生同士が、共通の大きな目標に向かって力を合わせ、自分の得意なことを教え合う姿は、大きな可能性を感じさせます。こうした異分野教員間の学際共同研究は、しばしば大きな研究成果に結実しつつあり、生物系分野と理工系分野の共同研究により大学院生が理工系学会の学生奨励賞を受賞したこともありました。
食と農に関連した研究を行う舞台として自然に恵まれた東京理科大学野田キャンパスは、理想的な環境です。より大きな設備を必要とする研究は野田キャンパスのすぐ近くにある筑波研究学園都市や柏の葉キャンパスにある外部の研究機関と連携を進めています。野田キャンパス内には広大な理窓会記念自然公園があり、農理工学際連携コースに所属する研究室・学生サークル・国土交通省・地方自治体・地元の環境保護団体やボランティアの方々などが協力して手作業で湿地を開墾し水田を作り、稲作を始めました。
東京理科大学総合研究院には、アグリ・バイオ工学研究部門、先進農業エネルギ一理工学研究部門が新設され、本農理工学際連携コースのメンバーも参加して密接な連携が進行中です。特に後者は、高原野菜の一大産地である長野県の八ヶ岳山麗にある諏訪東京理科大学を主な舞台として、近隣の農業大学校や地元自治体とも連携しながら研究を推進しています。また2015年9月に行われた長万部地方創成サミットをきっかけとして北海道にある東京理科大学長万部キャンパスを舞台にした地方創生推進事業との連携も始まりました。農理工学際連携コースの教員や学生は、こうしたネットワークを活用しながら、農業や植物工場の現場とも交流し、視野を拡げ幅広い研究を進めようとしています。